お題:酔生夢死―ヌケガラ―/夏
道中、抜け殻について。
悪魔に関心を持ち始めた弟者は、ジョルジュのような悪魔も存在しているのに、世の中に抜け殻が多いことを疑問に思う。
それを兄者に問いかける。
曰く、
遥か昔、悪魔は自由だった。好きな時に、自分の主食を食べていた。
しかし、とある人間が悪魔に恋をした。叶えたかった願いも忘れて悪魔と共に生きた。
けれども、人間には寿命が来てしまう。それを嘆く人間を哀れに思った悪魔は、人間に永遠の命を与えた。
その対価は己と共に歩んでくれた時間。幸せな記憶。そんなものだった。なぜなら、その悪魔の主食は「心」だったから。悪魔は人間の「心」が好きだった。
無茶な願いを叶えた悪魔は死んでしまった。一人残された人間は、悪魔を封じる箱を作った。
理由は、悪魔が勝手に願いを叶えてしまわないように。契約がなければ何も食べられないように。
箱が出来てからは、新たに悪魔が生まれても、それは「箱憑き」になってしまった。
悪魔は自由にレベルアップができなくなったので、魂や寿命を欲した(そっちの方がエネルギーが強い)そのため、抜け殻が増えてしまった。
弟者の兄弟話
兄者の昔話
悪魔という存在。空と共にあった日々。ドクオとの出会い。
悪魔と人間の繋がり。充実した日々。空の恋。
ドクオの願い。悪魔の封印(日本中に印を刻んで回るドクオ
悪魔の変化(悠々自適から力を欲して魂を狙う悪魔へと変化
('A`)「悪魔……。本物、か?」
川 ゚ -゚)「あの男を見ていると、何かが湧き上がってくる気がしてならない。
これが恋なのか?
愛なのか?
だとすれば、何と甘美で苦々しいのだろうか」
('A`)「オレは何で人間なんだろうなぁ。
お前達みたいに、永遠に近い時間を生きてみたいよ」
川 ゚ー゚)「私はたくさん貰った。
貰いすぎた。
清算するには、私の命を捧げるしかないほどに」
川 ゚ -゚)「お前の願いが叶うというのならば、それが何よりなんだ。
あぁ、だが、どうか。お前の優しき心が許してくれるのであれば、
私のことを忘れないでほしい。長い永い時間の中で、少しでも永く、私を想ってくれ」
(; A )「違う……。違うんだ。
オレが、オレが望んだのは、命じゃなくて、お前とずっと一緒にいられる時間で」
('A`)「よお、久しぶりだな」
('A`)「長い長い時間をかけて、ようやくできたんだ」
('A`)「最初は、いいや、全ての始まりを、お前に見てほしかった」
('A`)「――もう、あんな思いをする人間は、必要ないだろ?」
( ´_ゝ`)「今日は途方もなく美しい日だ。
空は青く、風は優しく、草木は萌えている。
こんな日こそ、あんたの願いを叶えるには相応しい。
そうは思わないか?」
( ´_ゝ`)「さあ、願いを叶えよう」